第67章

ゴルフ場。

西村達也が「パン」とクラブを振り抜くと、ゴルフボールは見えなくなるほど遠くへ飛んでいった。

横に立っていた藤本雄太は強い風が吹き抜けたのを感じ、全身が寒気で震えた。

水原花子が出ていってから、毎日こんな暗い顔ばかりしている。藤本雄太はもう気が狂いそうだった。

「水原花子はまだ帰ってこないのか?」

「あいつが外で死のうが俺には関係ない」西村達也は冷たく鼻を鳴らし、足を前に踏み出した途端、腹から「グゥグゥ」と情けない音が響いた。

藤本雄太は気まずそうに鼻をこすった。「お前が水原花子の料理に慣れてるのはわかるけど、だからって彼女がいなくなったからって食事まで抜くなんて…」

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