第71章

「お前……」山田美香は怒りで全身を震わせていた。

「私たち八年の親友で、写真だって数え切れないほど撮ってるわよ。証拠を見せろって言うなら出すわよ」

水原花子は冷静な目で宴会場の人々を見渡し、最後に水原慎一夫妻に視線を落とした。

「監視カメラを調べる必要もないわ。どうせ水原家の人たちが調査する機会なんて与えないでしょうし。正直言って、今日のこの結婚式にはもう居たくないわ。一人一人が芝居がかった演技をしてて、気持ち悪いだけ」

彼女はそう言うとマイクを脇に投げ捨て、颯爽とテーブルから飛び降り、周囲の視線を浴びながら宴会場を後にした。

宴会場の中で、水原家と佐々木家の人々は蝋のように黄ばん...

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