第100章

夏目夢子は羽村の顔に見覚えがあったのだろう。羽村への敵意は引っ込み、代わりに藤原英世と看護師たちを、怒りのこもった目で睨みつけた。

部屋の中からは、甲高い悲鳴と、何かが床に叩きつけられて割れる音が、扉の外にまで漏れてくる。

西原雨子はびくりと肩を震わせた。――夏目奥様が、突然取り乱したのかもしれない。

ポケットに手を入れる。藤原英世から預かったネックレスは、まだ自分の手元にあった。

もう迷っている場合じゃない。西原雨子は扉を押し開け、そのまま駆け込んだ。

室内で対峙している数人の姿が目に入り、雨子は慌ててネックレスを取り出す。

ネックレスを見た藤原英世は、ほっと息をついた。受け取...

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