第120章

藤原英世は落胆を抱えたまま西区警察署を出た。イヤホン越しに、部下の声が滑り込んでくる。

「藤原様。最近、こちらの動きを追っている連中がいます。尾行がかなり露骨で……本日、西区警察署へお越しになった件も、恐らく漏れています」

英世は眉を寄せ、氷のように言い捨てた。

「洗え」

「了解です」

車に乗り込むと、ほどなく英世のスマホが震えた。表示された名は藤原松人。

案の定、用件は西区警察署の件だった。

受話口の向こう、松人の声にはかすかな期待が滲んでいる。

「何か新しい情報はあったか?」

英世は、お爺さんを落胆させたくなかった。だが、根拠のない希望を与えるほど残酷なこともない。結局...

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