第122章

加藤傑にそう言われ、藤原英世の胸の内はぱっと明るくなった。だが口調だけは崩さない。

「……よし。今回は不問にする」

二人はそのまま、今後の段取りについても詰めていった。

     *

一方、西原雨子は車を飛ばし、藤原グループへ向かっていた。

道中、胸のざわつきを抑えようとしても、どうにもならない。

英世は普段から用心深い。そう簡単に誰かにやられるような男じゃない――頭では分かっている。

それでも、外には敵が多い。もし、万が一――。

雨子は唇をきゅっと噛み、アクセルを踏み込んだ。スピードメーターの針が跳ね上がる。

深夜の藤原グループ本社ビルは、ほとんど灯りが落ちていた。稼働し...

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