第125章

田山夜子は感動で目に涙をいっぱい溜め、田山定信の腕にぎゅっと抱きついて甘えた。

「お父さん、やっぱりお父さんが一番だよ!」

田山定信は甘やかすように、そしてどこか困ったように、ふっと息をついた。

……

夜更け。藤原英世は藤原家へ戻る車中で、部下から報告を受けていた。

「藤原様。この数日、藤原涼介が杉浦静留に何度も接触しています。二人の距離はかなり近いかと」

藤原英世は眉をひそめる。あの日、自分を尾行してきた気配が脳裏をよぎった。

藤原涼介――もう我慢の限界か。

何年も仮面をかぶって、ついに耐えきれなくなったってわけだ。

英世は鼻で笑い、アクセルを踏み込む。エンジンが唸り、車...

ログインして続きを読む