第14章

前に加藤傑から「藤原英世に食事を摂るよう一言伝えてほしい」と頼まれて以来、西原雨子は二日ほど、自分の中で覚悟を固める時間を取ることにした。

彼女にとって藤原英世は、ただ恐ろしくて邪悪な上司というだけではない。――かつて同じベッドで肌を重ねた男でもある。

そして今日になって、ようやく心の準備が整った。

けれど、オフィスの中からは何の返事もない。

もしかして、今日は来ていない……?

西原雨子はほんの少しだけ安堵した。それと同時に、ふと思う。今回は自分の勝ち、ということになるのだろうか。彼女は起きてすぐ会社に来て、休日出勤までしているのだから。

……

やや苛立ったようなノックの音が響...

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