第142章

田山夜子は西原七海をきっと睨みつけ、鼻で笑った。

「身の程知らず」

「もう、雨子。遅いよ」

西原七海が西原雨子の腕を取って引き寄せる。

西原雨子は軽く頷いてから訊いた。

「お父さん、今日は来てないの?」

「内緒で来たの。じゃないと、お父さん絶対、会社のことに首突っ込むなって言うから」

七海は肩をすくめてみせる。

西原雨子は視線を落とした。――そりゃそうだ。七海は西原海人の実の娘。いずれ会社を継がせるにしても、余計な苦労はさせたくないのだろう。

西原海人はきっと、道を全部整えてから、娘に安心してバトンを渡す。

「うん。じゃあ、先方のところ行こう。私も状況を把握したいし」

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