第18章

西原海人は長いこと考え込んだ末、ようやく小さく頷いた。

「よし。それで行こう。雨子には……俺から話す」

……

研究センターのラボでは、西原雨子が実験データの報告書に目を通していた。そこへ岡村宮子が、海塩チーズラテを一杯持ってくる。

「雨子さん、引き継ぎまわりは全部終わりましたし、実験データにも特に問題ありません。モデルもかなり安定してます。これでしばらく、やっと一息つけますね」

岡村宮子は自分の深煎りアメリカーノを飲みながら、ほっとしたように机にもたれかかった。

西原雨子はふっと笑う。

メンバーたちは肩の力を抜けるだろう。けれど、彼女はそうもいかない。

彼女には、もうひとつの...

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