第24章

夜の色は深く、空にはなお黒雲が垂れこめていた。

藤原英世は少し残業したあと、一本の電話を受けた。家の者から、家族の会食に顔を出せと言われたのだ。

藤原英世はあからさまに不機嫌な顔をした。だが、行かなければ行かないで、面倒はむしろ増える。

仕事を手早く切り上げると、彼は車に乗り込み、運転手に藤原家へ向かうよう告げた。

車がK市でもっとも華やかな新城大通りを走っていたとき、不意に道端に見覚えのある姿が目に入った。

一瞬、見間違いかと思った。

「停めろ。あっちへ回れ」

藤原英世が指示を飛ばす。

しばらくして、西原雨子はスマホの画面で配車した車がまもなく到着するのを確認し、顔を上げて...

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