第32章

まったく――あの忌々しいペンギンどもに違いなかった。

逆追跡対策を破ったあとも、座標はなおも極地を指していた。おまけに画面では、ペンギンを紹介する科普番組めいたドキュメンタリーまで流れ出したのだ。

西原雨子の胸を満たしていた期待も興奮も、その瞬間きれいにしぼんだ。

代わりに渦を巻いたのは、弄ばれたような茫然と、じわじわ込み上げる怒り。

たしかに彼女は、藤原英世の逆探知防止システムを破った。

だが、まさかその先に待っていたものまで、まだ偽装だったとは。

いったい何重に仕掛けを重ねていたのか。

西原雨子は本気で疑いたくなった。

問い質すメッセージを送ると、ほどなくして藤原英世から...

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