第70章

昨夜、見知らぬ女が突然訪ねてきて、名指しで彼女に会いたいと言ってきた。

杉浦静留は胸の内で即座に思う。――ついに来た。

てっきり、空港で藤原英世と一緒に去っていった、あの女が乗り込んできたのだとばかり。

静留は面会を承諾した。

だが、顔を合わせた瞬間、彼女は固まった。

目の前で怒りに目を吊り上げているのは、まったく知らない女だったのだ。

頭の中がぐしゃぐしゃになる。

藤原英世って、いったい女が何人いるの?

田山夜子は静留を頭のてっぺんからつま先まで舐めるように見回し、どこが自分より勝っているのかさっぱり分からない、という顔をした。

こんな、どこにでもいそうな女が、自分と藤原...

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