第77章

藤原英世は、生まれてこの方こんなにも幸せだと思ったことがなかった。

西原雨子が答えた、その瞬間――。

理性なんてかなぐり捨てて、抱きしめて、むさぼるようにキスして、この胸の奥を全部さらけ出してしまいたかった。

けれど、ぎりぎり残っていた最後の理性が、彼を踏みとどまらせる。

今はまだ、その時じゃない。ここで本音をぶつけたら、雨子をそのまま逃がしてしまうかもしれない。

……だから、告白はできない代わりに。

自分へのご褒美みたいに、藤原英世は西原雨子を力いっぱい腕の中へ引き寄せた。

「っ!?」

雨子はびくりと肩を跳ねさせ、慌てて押し返す。だがびくともしない。

「なにしてるの?!」...

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