第83章

さっき、西原雨子は黙っていてもよかったはずなのに、わざわざ前に出て、彼の窮地をさらりと救ってみせた。

――どういう風の吹き回しだ。

太陽が西から昇るって、こういうことを言うんだろう。

それに気づいた瞬間、藤原英世の機嫌はさらに上向いた。

専用エレベーターに乗り込むと、英世は雨子のほうへ半歩寄り、声を落とす。

「さっき、なんで俺の味方した? あの二人に」

雨子はきょとんと彼を見上げた。

「別に、あなたと私、ケンカしてるわけじゃないし。あなたは藤原グループの社長でしょ? あの二人に絡まれて言い合いになったら、あなたにとっても得じゃない。私は部外者だから、私が口を挟んだほうが場が収ま...

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