第84章

田山夜子は怒りを全身にまといながら藤原グループへ乗り込むと、通りがかった社員を手当たり次第につかまえ、底冷えのする声で言い放った。

「西原七海はどこ?」

その形相に社員は完全に怯え、喉をひきつらせながら答える。

「た、たぶん……オフィスに……」

答えなければ、この怒りの矛先が自分に向く――そう本能が告げていた。

数分後。

田山夜子はガラス扉を押し開けた。

作業スペースで忙しく動いていた社員たちが、何事かと視線を向ける。だが田山夜子は一切構わず、まっすぐ奥へ進み――西原七海の個室のドアを、容赦なく蹴り開けた。

西原七海はスマホで新作の季節物をカートに入れている最中だった。轟音に...

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