第86章

幸い、西原雨子の服はそう多くない。クローゼット二つ分、せいぜいそれだけだ。

二分ほど探したところで、西原七海は写真の女が着ていたのと同じ服を見つけた。

七海はその服をぎゅっと掴む。胸の奥が煮えくり返るほど腹立たしかった。

写真の男が誰かはまだ確定できない。だが七海には分かってしまう。――あれは、おそらく藤原英世だ。

西原雨子が、これまでこっそり藤原英世と会っていた?

雨子と英世の噂をでっち上げるのと、当人同士が本当に裏で会って関係を持つのとでは、話がまるで違う。

雨子を貶めるのはいい。けれど雨子が本当に、自分の男を奪うような真似をするのは絶対に許せない。

七海は怒りに任せて...

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