第4章

千堂奏斗視点

久遠昌弘の家のソファで目を覚ますと、頭が大型トラックにでも轢かれたかのような激痛に襲われた。

昨夜、マンションから締め出された俺は、凍えるような街を二時間もさまよった末にプライドを捨て、久遠昌弘の家のドアを叩きまくったのだ。「家を追い出された」とだけ告げると、いつもの夫婦喧嘩だろうと高をくくった久遠は、俺をソファで寝かせてくれた。

身を起こし、一体何が起こったのかを必死に整理しようとする。結城礼央の氷のように冷たい顔、警備員の警告、そして固く閉ざされたドア……すべてが悪夢のように蘇ってくる。

一晩寝れば何か解決策が浮かぶかと思っていた。だが、キッチンに寄りかか...