第7章
社長の興奮した声がオフィスの廊下に響き渡り、私や何人かの同僚は思わず顔を上げた。社長は小走りで鈴木霜子のオフィスに駆け込み、その顔には隠しきれない喜びが満ち溢れていた。
「霜子さん! 新キャラのデザイン、最高だよ! パブリッシャーも大満足だ!」
開け放たれたドアから社長の声が聞こえてくる。
「最終版はいつ頃完成するんだい?」
霜子は眉を上げ、声を張り上げて答えた。
「アフタヌーンティーの時間が終われば、最終版を提出できます」
私は思わず微笑んだ。鈴木霜子はいつもこうだ。社長相手でも、自分の『特権』を譲ろうとはしない。
「もちろんだ、もちろん!」
社長は朗らかに笑った...
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