第6章 永遠に恥じる
レースのカーテン越しに、朝の光が寝室へと差し込んでいた。
はるかが目を覚ますと、隣のベッドは、とっくに空っぽだった。
一也の温もりが残る枕のくぼみを、そっと指でなぞる。自嘲めいた笑みが、無意識に口元に浮かんだ。
渋谷のカフェで鈴木紗織と会ってからというもの、夫である松原一也は、どこか不自然なほど優しくなった。
そのよそよそしい優しさが、かえってはるかの心をざわつかせる。
「はるか」
ドアの向こうから、一也の声がした。
彼女ははっとして、読んでいた日記帳を枕の下に隠す。
今日で、九十九日目。
明日は、結婚記念日。
「はい」
痛む身体をゆっくりと起こし...
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チャプター
1. 第1章 無視された愛
2. 第2章 触れられない距離
3. 第3章 裏切りの恋人
4. 第4章 遅れてきた深情
5. 第5章 最後の賭け

6. 第6章 永遠に恥じる

7. 第7章 残された人が一番苦しい

8. 第8章 重い思い出

9. 第9章 こまめの付き添い

10. 第10章 永遠の苦しみ

11. 第11章 許せない自分


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