第111章

沈川澪は書斎を退室し、螺旋階段を伝って藤原司の寝室へと向かった。

寝室のドアは半開きになっており、中から藤原美和の押し殺したような泣き声が漏れ聞こえてくる。

医師はすでに傷の処置を終え、退出したあとだった。

藤原司は大きなベッドにうつ伏せになっていた。上半身は裸で、透き通るように白い肌には分厚い包帯が巻かれ、そこから痛々しい血の赤が滲んでいる。

「司、どうしてこんな無茶を……」藤原美和はベッドの傍らに座り、ハンカチで涙を拭っていた。「いつもは分別があるのに、どうして澪のこととなると意地を張るの? あなたが折れて、澪とちゃんと話し合いなさい。本当にこの家を壊す気なの」

藤原瑶も傍らで...

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