第14章

皺一つないルームウェアに身を包み、家事など一切したことのない藤原家の長男が、今は少し手つきはおぼつかないながらもキッチンの前に立ち、フライパンで卵を焼いている。ジューという軽快な音が響いていた。

大きな窓から朝の光が差し込み、彼の輪郭を柔らかく縁取っている。その光景はどこか現実離れして見えた。

物音に気づき、藤原司は振り返って彼女を一瞥し、さらに足元のスーツケースへと視線を移した。無意識に眉をひそめたが、結局何も言わなかった。

彼は焼き上がった目玉焼きを皿に移し、焼きたてのトーストとホットミルクと一緒にダイニングテーブルへ運んだ。

「食え」彼は顎でテーブルをしゃくり、いつものような命...

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