第15章

沈川澪は通話を切り、無表情のまま荷物をまとめるとガレージへ向かった。

車は再び会社を後にし、今度の目的地である藤原家の本邸へと向かう。

玄関を入るなり、待ちわびていた藤原清子が歩み寄り、沈川澪の手を取った。その目は痛ましさに満ちている。

「澪、おかえり。さあ、顔を見せて。この数日でまた痩せたのじゃない?」

清子は有無を言わさず彼女をソファに座らせると、温めておいたツバメの巣のスープを運び、藤原司の気の利かなさをくどくどと愚痴り始めた。

沈川澪は静かに耳を傾けながら、胸の奥にほんのりと温かいものを感じていた。

この家で、心から自分を可愛がってくれるのは、おばあちゃんだけかもしれない...

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