第20章

藤原家の人々を見送ると、病室は再び死んだような静寂に包まれた。

沈川澪はベッドサイドのパイプ椅子に腰を下ろし、窓の外を眺めていた。沈みゆく夕日が、街全体を温かなオレンジ色に染め上げている。

だがその温もりは、彼女の心には欠片ほども届かなかった。

ここ数年、藤原司の不在にはとうに慣れっこになっていた。

彼女の誕生日だろうと、二人の結婚記念日だろうと、彼はいつも何かしら理由をつけてはそばにいなかった。

初めの頃の胸を弾ませるような期待は、やがて落胆に変わり、今ではすっかり麻痺している。果てしない待ち時間と冷遇の中で、沈川澪の心はすり減り、とうの昔にボロボロになっていた。

もう痛みを感...

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