第21章

彼は彼女を強引に引き戻し、冷たい壁と自分の体の間に閉じ込めた。その長身のシルエットが、彼女をすっぽりと覆い隠す。

「沈川澪」彼は身を乗り出し、その熱い吐息が彼女の頬を打った。底知れぬ暗い瞳には、複雑で名状しがたい感情が渦巻いている。「そんなに俺が嫌いか? 一秒たりとも一緒にいたくないと?」

沈川澪は無理やり顔を上げさせられ、至近距離にある彼の目と視線を合わせた。その瞳に映る自分の姿が、ひどくちっぽけで、惨めに見えた。

嫌い?

彼女も、自分自身にそう問いかけたことがあった。

けれど今となっては、その一言でこの複雑な心境を言い表すことはできない。

失望、疲労、絶望、そして滑稽さ――そ...

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