第71章

彼女に冷ややかな嘲笑を浴びせ、相手によって態度を変えるような他の御曹司たちとは違い、江淳平は気さくな性格だった。この三年間、それなりに気を配ってくれたし、あの界隈で唯一、彼女に善意を向けてくれた人だと言える。

沈川澪は箸を置き、少し離れた場所へ移動して通話に出た。

「澪、体調崩したって聞いたけど? 具合はどう?」

電話の向こうから江淳平の快活な声が聞こえてくる。背景には、ビリヤードの球が弾ける甲高い音や、ふざけ合うような笑い声が混じっていた。

「だいぶ良くなったわ。ありがとう」沈川澪は穏やかな声で返す。

「それならよかった。今、いつものメンバーで集まってるんだけどさ。司もさっき来た...

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