第79章

本家に着いた頃には、すっかり日が暮れていた。

藤原司はエンジンを切ったが、すぐには車を降りようとしなかった。

シートに深く寄りかかり、こめかみを強く揉みほぐす。街灯の光に照らされたその目には、赤い血走りがくっきりと浮かんでいた。

連日の世論戦と取締役会からのプレッシャーが、彼の体力を確実に削り取っているのは明らかだった。

その疲れ切った様子を見て、沈川澪は無意識のうちに手を伸ばしていた。指先が彼のこめかみに触れ、程よい力加減で揉み始める。

藤原司の体がびくっと強張ったが、すぐに張り詰めていた筋肉がゆっくりと解れていった。

彼は目を閉じ、彼女の指先から伝わる温もりを感じ取る。久しく...

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