第136章 本当に私のこと好き?

秋月雫はグラスを握る指に力を込め、ふと顔を上げて白川ゆらへと視線を向けた。

 ゆらのその柔らかな笑みは、本当にただの世間話で、他意などないかのように見えた。

「白川さん」

 雫はグラスを置くと、淡々とした声で告げた。

「物事には順序というものがあります。一つずつ片付けなければ、どこで足元を掬われるかわかりませんから」

 その曖昧な返答は、ゆらが求めていた答えではなかった。

 一見何気ない問いかけだったが、それは暗に秋月雫と高杉蓮の未来について探りを入れるものだったのだ。

 九条時夜が雫を見る。

 彼女もまた、彼を見つめ返した。

 視線が絡み合う。万感の思いが胸に込み上げ、喉...

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