第182章 あの子は誰の子

緒方ハルの顔色が変わった。

「何を馬鹿なことを! ゆらちゃんの幸せこそが、何よりも大切じゃないか」

 緒方久は妻を無視し、白川ゆらをじっと見据える。

「ゆらちゃんの幸せというのは、九条時夜に嫁ぐことなんじゃないのか?」

「そうよ、お父さん、お母さん。私は絶対に、何がなんでも九条時夜と結婚するの。だから、お願い。私に力を貸して!」

 両親を見送り、会計を済ませた白川ゆらだったが、すぐに病院へ向かおうとはしなかった。

 彼女の足は、高杉蓮と秋月雫がいる個室へと向かっていた。

「随分と楽しそうね」

 先ほどまでの柔らかな笑顔とは打って変わり、今の白川ゆらの表情には陰鬱な色が滲んでい...

ログインして続きを読む