第200章 確かに偶然すぎる

「送っていくことはしない」

 九条時夜が静かにそう告げると、秋月雫は眉をひそめ、その言葉に疑いの眼差しを向けた。

 同時に、少しばかりの好奇心も湧く。送らないと言うのなら、なぜ引き留めたのだろうか。

 それに彼は、一晩中車の中で待機していたのだ。

 雫の疑問を察したのか、時夜は薄い唇の端を吊り上げた。

「君の身に何かあったら困るからな。こうして見守るのは、これで最後だ」

 どういう意味だ?

 雫が眉間の皺を深くし、問い質そうとしたその時、以前彼が雫に譲った車がゆっくりと近づいてきた。

 なんとなく、事態が飲み込めてきた。

 車から降りてきたのは、若く、敏腕そうな雰囲気を纏っ...

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