第230章 緒方ハル、もう泣き止んだか?

秋月雫は昨夜ホテルの部屋にいた時点で、緒方ハルと白川ゆらが次に打ってくる手をすでに読んでいた。

 ただ予想外だったのは、彼女たちの動きがこれほど迅速だったこと、あるいは、これほどまでに堪え性がなかったことだ。

 昨日手に入れたばかりの「弱み」を、今日にはもう堂々と世間に晒しているのだから。

 受話器の向こうから、荒い息遣いと、鼻をすするような嗚咽が聞こえてくる。

「私だって、こんなことしたくなかったのよ、雫」

「でも、ゆらちゃんは私の宝物なの。あの子は本当に時夜を愛しているのよ。だからお願い、あの子と争うのはやめてちょうだい。ね?」

「安心して、あなたに不自由な思いはさせないわ」...

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