第233章 これは我ら九条家の産業だ

「雫……?」

 緒方ハルはまだ放心状態だった。白川勝に突然怒鳴りつけられた恐怖と動揺が、その瞳に色濃く残っている。

 白川ゆらは、そんな母を見て深く頷いた。

「そうよ。お母さんとお父さんは、本来なら仲睦まじい夫婦だったはず。私と時夜さんの関係だって、順調だった」

 彼女は声音を落とし、呪いのように囁く。

「なのに、秋月雫が帰ってきたせいで、何もかもが変わってしまった」

「あいつが、私たちを不幸にしたのよ!」

「忘れたの? 以前、あいつのせいでどれだけお母さんが苦労したか。あいつさえいなければ、あんな惨めな思いはしなくて済んだのに」

 その最後の一言は、緒方ハルの古傷を鋭く抉っ...

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