第243章 私を疑うのか?

 ついに、口にした。

 秋月雫は舌先で頬の内側を押し、緒方ハルの目をじっと見つめた。その目元は、やはり赤く染まっていた。

 感動からではない。自分がいかに身の程知らずな期待を抱いていたかを、痛いほど思い知らされたからだ。

 今、あの一言を口にしたのは。

 緒方ハルが白川ゆらを守るためであり、決して雫のためではない。

「白川奥さん、ご自分が何を仰っているのか分かっていますか? あなたのその一言で、円満なご家庭に影響が及ぶかもしれませんよ。撤回された方がよろしいかと」

 九条時夜が目を細めた。

 現在、彼と秋月雫は部屋の中に、緒方ハルと白川ゆらは入り口の廊下に立っており、はっきりと...

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