第259章 彼は本当に秋月雫を愛してしまったのか?

「送金?」

 白川ゆらの瞳が微かに動いた。

 昨夜、彼女が思い描いていた事態は起こらなかった。代わりに目にしたのは、秋月雫を抱きかかえて去っていく九条時夜の姿と、それに続いて連行される九条美月、そしてあのギャルソンの姿だった。

 一晩中よく眠れず、加賀和成から何らかの情報を引き出そうとしたものの、彼もまた何も知らない様子だった。

 今、九条美月の問いかけによって、すべての疑問が自然と氷解した。

 彼女は瞬きをし、いぶかしげな表情を作って口を開いた。

「なんの送金のこと? 私、全然わからないんだけど」

「どうしてわからないのよ!」

 九条美月は焦燥を露わにした。

「昨日、あな...

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