第265章 イケメンおじさんに抱っこしてほしい

「ずいぶんと大きく出たな。一体誰を鳴海市から追い出すつもりだ?」

 九条時夜は勢いよくドアを押し開け、病室へと足を踏み入れた。

 白川ゆらは怯えのあまり涙すら引っ込み、呆然と彼を見つめてから、ようやくその言葉の意味を理解した。

 彼女の顔に引きつった笑みが浮かぶ。

「時夜、何を言っているの? 私に人を追い出すような力なんてあるわけないじゃない」

 時夜は彼女を無視し、九条美月に視線を向けた。

「お前が答えろ」

 美月は実の兄に対して本能的な恐怖を抱いており、口を開いて正直に白状しようとした。

 しかし、白川ゆらの哀れを誘う顔を見ると、少し気の毒に思えてきた。

 彼女は口ごも...

ログインして続きを読む