第268章 浮気相手はやっぱり人でなし

秋月雫が九条時夜を拒絶したのは、かつての感情に終止符を打つためでもあった。

あの頃、九条時夜を愛していた気持ちは本物だった。彼は彼女の少女時代において、最も鮮烈な存在だったのだ。

かつて彼の妻となり、最高に愛らしい二人の子供を授かった。それだけで十分だ。

これ以上何かを求めるのは、少し欲張りというものだろう。

しかし、その言葉は九条時夜の耳には違って響いた。彼女が未練を断ち切れていない証拠であり、過去の自分の愚かさに対する嘲笑に聞こえたのだ。

常に冷淡だった彼の顔に、ついに感情の波が浮かび、顎のラインがこわばった。

数秒の間、秋月雫は彼が怒り出すのではないかと思った。

彼のよう...

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