第278章 伝説のオス同士の争い

 九条時夜は、まるでこの家の主人であるかのように、ごく自然な足取りでドアを押し開けて入ってきた。

 その棘のある言葉は、如月海の心を鋭く抉った。

 彼は無意識に拳を握りしめる。

「九条社長、他人の家にそうずかずかと上がり込むのはいかがなものかと。ましてやここは、シングルマザーの住まいですよ」

『シングルマザー』という言葉を、彼はことさら強調した。その意図は言うまでもない。

 しかし、九条時夜の表情は少しも揺らがなかった。

 秋月雫への想いを自覚した時点で、彼はとうにあの二人の子供を受け入れていた。その父親が誰であろうと関係ない。

「如月社長は機敏で優れていると聞いております。ビ...

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