第306章 私は九条時夜を追い、君は秋月雫を追う

現れたのは、なんと解良学だった。

白川ゆらは手を伸ばして涙を拭い、彼を見つめた。普段の遊び人のような飄々とした顔つきからは想像もつかないほど、陰鬱で冷え切った殺気が滲み出ている。

なぜ、彼がそんな口の利き方をするのか。

「どういう意味なの?」

自分でもどうしてかわからないが、微かな恐怖を覚え、口をついて出た声は隠しきれないほど震えていた。

「言葉の意味もわからないのか?」

解良学は嘲笑を漏らした。

「俺は九条時夜を評価しちゃいないが、あいつの目は節穴じゃない。お前が秋月雫に劣ることくらい、当然わかっている。彼女を放り出してまで、お前のところへ来るわけがないだろう?」

つまり、...

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