第307章 的確に人の心を掴む

解良学は答えることなく、白川ゆらの耳元で低く笑い声を漏らした。

 その笑い声の真意が読めず、彼女は彼が同意したのかどうか確信を持てずにいた。

 だが、絶対に失敗は許されないことだけは痛いほどわかっている。

「私たちの目標は同じはずよ。あの二人を引き離すこと。手を組めば、お互いにとって都合がいいと思わない?」

「当然、お断りだね」

 彼の低く甘い声が響く。優しげに聞こえるが、どこか背筋が凍るような陰湿さを孕んでいた。

「白川ゆら。君が彼女に何を企んでいるか、節穴の九条時夜は気づかなくても、俺にはすべてお見通しなんだよ」

 数多の女たちと浮き名を流してきた解良学である。女同士の陰湿...

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