第330章 鑑定はもう済ませた

「誰のせいだ?」

 九条時夜の低く冷たい声が響いた瞬間、九条美月は明らかに肩をびくつかせた。

 先ほど秋月雫の言葉を聞いた時、彼女の心の中にはまだ疑念があった。まさか本当に九条時夜がやって来るとは思っていなかったのだ。

 だが今、本物の彼を目の前にして、その強気な態度は一瞬にして半分にまで萎んでしまった。

「お兄ちゃん……」

 男は一瞥もくれず、真っ直ぐに人混みを掻き分けて秋月雫の前に歩み寄った。その視線は彼女の全身をくまなく探り、不当な扱いを受けていないか確かめているようだった。

 何も起きていないことを確認してようやく、彼は雫の傍らに立ち止まり、鋭い眼差しで周囲の者たちをねめ...

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