第332章 誰が子供は彼の子ではないと言った?

「だったら、俺に寄こせ」

 根深稚子がまだ目を通していないと聞いた途端、九条時夜は即座にそう言った。

 稚子が振り返る。瞳がすっと細められ、鋭さが増す。

 ――その目は、息子の腹の底まで見透かそうとしているみたいだった。

 普段はどこか抜けている九条美月が、今日は妙に勘がいい。

「時夜。まさか真実を隠すために、鑑定書を見ても『子どもは自分の子だ』って言い張るつもりじゃないでしょうね?」

 美月は眉をひそめ、根深稚子の腕にしがみつく。

「ママ、これはお兄ちゃんに見せちゃダメ。今のお兄ちゃん、秋月雫に完全にやられてるんだから。私たちで確認しないと」

 吐き捨てるように秋月雫を睨み...

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