第335章 白川ゆら、あなたのIQはどこへ?

「覚えてる」

九条時夜の顔がわずかに強張り、その眼差しに複雑な色がよぎった。

あの傷痕を見たとき、彼は――彼女の素行に問題があるのだと決めつけてしまった。

あとで誤解だとわかっても、当時の彼女の、失望した表情だけは消えなかった。

「……ごめん。あのときの俺は、勝手に決めつけてた。許してくれ。もう二度と、お前を疑ったりしない」

「私が言いたいのは、そのことじゃないの」

当時、疑われたこと自体は秋月雫も理解していた。

あの場所はあまりにも特殊だし、彼は医療の専門家でもない。疑念を抱くのは、ある意味で自然だった。

問題は――その傷痕の“理由”だ。

雫は伏し目がちに視線を落とし、そ...

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