第11話

人を傷つける言葉が、一言また一言と耳に突き刺さってくる。

晴美はゆっくりと両手を握りしめ、爪が掌に食い込むほどの痛みで、胸の奥に込み上げる酸鼻な思いをねじ伏せた。

琴音は、実の妹なのだ。

過去に何があったとしても、血の繋がりは変わらないのに、どうして……。

和也と提携するためだけに、葵の機嫌を取ろうとするなんて。

自分の心はとうに麻痺して、もう痛むことなどないと思っていたのに。胸に綿の塊でも詰め込まれたように息苦しく、呼吸すらままならない。

しばらくして、晴美はようやく感情を押し殺した。帽子のつばで顔を隠し、そっと立ち去ろうとしたその時――間の悪いことに一陣の風が吹き抜け、帽子が...

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