第115章

助手は腹を立てて車を走らせた。

晴美はその場に立ち尽くし、口元に冷笑を浮かべた。歩き出そうとした瞬間、突然視界がぐらりと回り、そのまま意識を失って倒れ込んだ。だが、完全に暗転する直前、見覚えのある顔が視界に飛び込んできた。

「晴美、どうした? おい……!」

聞き慣れた声。

だが、そんなはずはない。

今や二人は赤の他人。たとえ彼が倒れた自分を見つけたとしても、助けてくれるはずなどないのだから。

意識が途切れる寸前、晴美は必死に顔を上げ、ぼやけた人影をその目に焼き付けた。

……

再び目を覚ます。

鼻をつく強い消毒液の匂い。晴美は弾かれたように目を開けた。見知らぬ景色に胸がざわつ...

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