第116章

深夜、静まり返った病院。

人気のない廊下で、晴美は検査結果の紙を握りしめ、微かに手を震わせていた。

また、悪化している。

前回の入院で少しは良くなると思っていたのに、事態は最悪の方向へと向かっていた。

深く息を吸い込み、晴美は顔を上げて涙を押し殺した。

「たいしたことない。生死に関わること以外は、全部些細なこと。ただの病気なんだから、治療すればいいだけ」

いーち、にー、さーん……

心の中で三つ数え、晴美は意地を張るように涙を乱暴に拭い去った。歩き出そうとしたその時、廊下の向こうから足音が響いてきた。

廊下の突き当たりから、仕立てのいいスーツを着た和也が眉をひそめながら歩いてく...

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