第124章

病院のロビーは、行き交う人々でごった返していた。

葵はすぐに平静を装い、顔色一つ変えずに言い放つ。

「それがどうしたの? たとえ食べて吐き気がしたとしても、あの人は私の顔を立てて『義姉さん』って呼んでくれるわ。それに比べて、あなたは嫁いで何年になる? 一体何を手に入れたっていうの?」

やれるものなら、やってみればいい。

どうせ、こちらにはいくらでも切り札があるのだから。

晴美は時計に目を落とす。

「それで? 私に何の用なの」

「大したことじゃないわ。ただ、あなたと取引がしたいだけ。皆川充子に大人しく離婚協議書へサインさせて。さもないと、園長の手術、どうなるかわからないわよ」

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