第百二十七章

ドゴォッ!

拓海の言葉は最後まで続かなかった。糸の切れた凧のように宙で弧を描き、地面に叩きつけられたのだ。

全身を痙攣させ、額にはびっしりと冷や汗が浮かんでいる。

その場にいた全員の視線が、一斉に和也へと突き刺さった。

――どういうことだ?

和也は晴美のことなど気にも留めていないのではなかったか。

それなのに、あんな些細なことで実の弟に蹴りを入れるなんて。

人間を一人、蹴り飛ばす。

どれほどの力が込められていたかは想像に難くない。

見ているだけで痛みが伝わってくるようだった。

一秒、二秒、三秒……。

どれほど経っただろうか。拓海は地面にうずくまったまま、一向に起き上がろ...

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