第15話

「わあ、見た? あの二人、美男美女ですごくお似合いじゃない」

「本当ね。あの女の人、ずっと年配向けの薬膳茶のレシピを教えてたし。あれ、絶対に親への挨拶の準備よ。ゴールインも近いんじゃない?」

人気のない廊下で、二人のスタッフが手を動かしながら小声で噂話に花を咲かせていた。

突然、二人は背筋に冷たいものを感じ、無意識に振り返る――そして、陰鬱に沈んだ双眸とぶつかった。

客の邪魔をしてしまったと思った二人は、申し訳なさそうに会釈し、逃げるようにその場を離れた。

和也は身動き一つせず、その暗い視線を廊下の先、個室の外に広がる通りへと再び向けた。

傍らに立つ葵が、ためらいがちに口を開く。...

ログインして続きを読む