第19話

晴美は眉をひそめた。

「何度言われても同じです。私にあの人の世話をする責任も義務もありません」

「だいたい、お義母さんの息子さんでしょう。心配ならご自分でどうにかしてください」

「あなたね……!」

大勢の前で言い返され、雪枝は怒りで激しく胸を上下させた。

何年も大人しかった人間が、今になって急に強硬な態度に出たのだ。

姑としてのメンツを丸潰れにされ、彼女は怒りに震える指を晴美に突きつけた。

厨房にいる者たちは皆、息を潜めて縮み上がっている。雪枝が怒鳴り散らすかと思われたその時、老執事が歩み寄ってきた。

「早く料理をお出ししろ」

その短い一言が、張り詰めた空気を打ち破った。

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