第27章

あっという間に、晴美の後ろ姿は曲がり角の向こうへ消えていった。

孝紀は立ち尽くしたまま、しばらく動けなかった。

「お兄ちゃん、何してるの? 帰ろうよ」

ぼんやりしている兄を見て、香絵はぽんとその肩を叩いた。

孝紀はびくっと肩を揺らし、妹の頭を優しく撫でる。

「ああ、帰ろう」

帰り道。

助手席に座る香絵は、小さな紙袋を手に持ったまま、小鳥のようにぺちゃくちゃと喋り続けていた。

「お兄ちゃん、このお菓子、本当に食べなくていいの? すっごく美味しいのに。美人で性格もいいなんて、まさに晴美お姉ちゃんのことだよね」

「これ、全部手作りなんだよ。それに、漢方とかも入ってるらしいんだけど...

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