第37章

病室の中。香絵は声を詰まらせ、心配でたまらないという顔をしている。

背後に立つ孝紀もまた、不安げな面持ちだ。何か言いたげに口を開きかけたが、結局言葉を飲み込んだ。

「大丈夫よ。お医者様も、今日退院していいって言ってたし」

病院特有の消毒液の匂いが、晴美はどうしても好きになれなかった。

一刻も早くここから離れたい。

孝紀が眉をひそめる。

「経費で落ちるんだから、精密検査を受けたらどうだ。顔色が悪いぞ」

「そうですよ、晴美お姉ちゃん。お医者様の言う通り、ちゃんと検査してください。こんなに痩せ細っちゃって……」

香絵は晴美の胸に飛び込むと、ふくれっ面をして彼女の腕を軽くつねった。

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